`changeFromQuantity`フィールドの必須化と明示的なオプトアウト
ShopifyのAPI開発において、インベントリ管理の精度と一貫性を向上させるための新たな変更が予定されています。これは、同時実行保護機能に関連した変更で、`changeFromQuantity`フィールドの必須化を伴います。
技術的課題: インベントリの一貫性の確保
Shopifyストアでは、商品の在庫管理が至高の重要性を持ちます。同時に複数のプロセスが在庫数量を更新すると、データの一貫性が損なわれる可能性があります。これまでのShopify APIでは、この問題を完全に解決する手段がありませんでした。
ソリューション: `changeFromQuantity`フィールドの導入
2026年4月以降、以下のミューテーションで`changeFromQuantity`フィールドが必須となります。
- `inventoryAdjustQuantities`: `InventoryChangeInput`入力タイプで使用可能
- `inventoryMoveQuantities`: `InventoryMoveQuantityTerminalInput`入力タイプで使用可能
- `inventorySetOnHandQuantities`: `InventorySetQuantityInput`入力タイプで使用可能
- `productVariantsBulkUpdate`: `InventoryAdjustmentInput`タイプで使用可能、これは`quantityAdjustments`フィールドの`ProductVariantsBulkInput`タイプで使用可能
実装手順とコード例
以下は、`changeFromQuantity`フィールドを利用した`inventoryAdjustQuantities`ミューテーションの実装例です。
mutation {
inventoryAdjustQuantities(
input: {
reason: "correction"
name: "available"
changes: [{
delta: 10
changeFromQuantity: 50
inventoryItemId: "gid://shopify/InventoryItem/123"
locationId: "gid://shopify/Location/456"
}]
}
) {
inventoryAdjustmentGroup {
id
}
userErrors {
code
message
}
}
}
`changeFromQuantity`フィールドが導入されることで、在庫数量の更新が競合する問題を防ぐことができます。フィールドに指定した数量が実際の在庫数量と一致しない場合、ミューテーションは`CHANGE_FROM_QUANTITY_STALE`エラーを返し、未意図の上書きを防ぎます。
パフォーマンス・コスト分析
この変更により在庫管理の精度が向上し、誤った在庫情報によるビジネス上の損失を防ぐことが期待できます。インベントリの整合性を維持するためのコストは微小であり、それによる利益は大きなものとなるでしょう。
実装時の注意点・ベストプラクティス
この変更は破壊的な変更であり、必要な対応が求められます。対応策としては、期待する在庫数量を`changeFromQuantity`に指定することで、同時実行チェックを有効化する方法と、`changeFromQuantity: null`を明示的に指定し、チェックをスキップする方法があります。しかし、特別な理由がない限り、チェックをスキップするオプトアウトは避けることが推奨されます。
次のステップ・発展案
APIのバージョン2026-04への移行前にアプリケーションのロジックを更新し、`changeFromQuantity`フィールドを適切に使用するようにすることが求められます。また、具体的な使用方法やオプトアウトの判断基準については、公式ドキュメントを参照してください。
参考記事: Making `changeFromQuantity` field required (with explicit opt-out)






Share:
在庫と返金処理のための並行性保護機能
`OrderTransaction.authorizationCode`の廃止と`OrderTransaction.paymentId`への移行について