サーバーピクセル:チェックアウトイベントに`subtotal_price`が追加
1. 技術的課題の定義と現状分析
Shopifyのエンジニアが日々遭遇する課題の一つに、トランザクションデータの詳細な追跡が難しいという問題があります。特に、各行アイテムの価格の合計を得るためには、個々の商品や注文レベルの割引を適用した後の合計価格を自身で計算しなければならないという手間がありました。
2. 具体的な技術的ソリューションの提案
この問題を解決するために、Shopifyはsubtotal_priceフィールドをサーバーピクセルイベントに追加しました。これにより、商品と注文レベルの割引を適用した後の各行アイテムの価格の合計を簡単に取得できるようになります。具体的には以下のイベントで利用可能となりました。
checkout_startedpayment_info_submittedcheckout_completed
3. 実装手順とコード例
subtotal_priceは新たに追加されたフィールドなので、特別な設定は必要ありません。ただし、イベントのハンドラー内でsubtotal_priceを利用する際には、適切に参照する必要があります。以下に具体的なコード例を示します。
//イベントハンドラの例
function handleCheckoutCompleted(event) {
const subtotalPrice = event.subtotal_price;
// subtotalPriceを利用した処理...
}
4. パフォーマンス・コスト分析
subtotal_priceの追加により、各行アイテムの価格の合計を得るためのコードが単純化され、コードの可読性と保守性が向上します。また、自身で計算を行わなくてもよくなるため、サーバーの計算負荷が軽減され、パフォーマンスも改善されます。
5. 実装時の注意点・ベストプラクティス
subtotal_priceは商品と注文レベルの割引を適用した後の価格を示すため、割引が適用されていない場合や、割引の計算方法が異なる場合には注意が必要です。また、税金や送料は含まれていないため、これらを考慮する必要があります。
6. 次のステップ・発展案
subtotal_priceを活用することで、販売データの詳細な分析や、ユーザー経験の向上などにつながる新たな可能性が広がります。例えば、subtotal_priceを元にしたダイナミックプライシングや、リアルタイムの売上分析などに活用することが可能となります。
参考記事: Server Pixels: added `subtotal_price` to checkout events



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