ANALYTICS UPDATE

Shopifyアナリティクスが
アプリ開発の全スタック基盤に

独自DBもチャートライブラリも不要。アプリのデータをそのままShopify分析画面に統合する5つの新機能が同時リリース。

Shopify AnalyticsFULL-STACK PLATFORMShopifyQL · Web ComponentsMetafieldsanalytics-queryabledimension in ShopifyQLApp EventsEarly Accessapp_events テーブルShopifyQL APIバージョン管理・スキーマ公式ドキュメント化Web Components<s-shopifyql-metric-card>チャートを1要素で埋め込みAnnotations APIチャートにイベント注釈アプリ帰属付きで表示Metric Targets API売上目標を設定・可視化レポートにオーバーレイMODEL · QUERY · EMBED · ENRICHAll inside Shopify, where merchants already make decisions.

アプリ開発者がマーチャント向け分析機能を構築するには、これまでチャートライブラリ・データウェアハウス・ETLパイプライン・独自UIと膨大なスタックが必要でした。2026年7月21日のアップデートにより、Shopify Analytics自体がアプリが乗れるフルスタック分析プラットフォームへと進化。インフラはShopifyに委ね、アプリのデータをマーチャントが日常的に意思決定を行う場所へ直接統合できます。

OVERVIEW

015つの新機能:全体像を把握する

5つの新機能とデータの流れ① Metafieldsanalytics-queryable指定→ ShopifyQLのdimensionに② App EventsEARLY ACCESSapp_events テーブルで集計ShopifyQL API③ バージョン管理済みクエリ層スキーマドキュメント公開FROM sales SHOW total_salesGROUP BY metafields.campaignFROM app_events SHOW countLLM / AIエージェント対応④ Web Components<s-shopifyql-metric-card>1タグでチャート描画⑤ Annotations APIチャートにイベントを注釈GraphQL Admin API経由⑥ Metric Targets API目標値を設定・進捗表示レポートにオーバーレイMODEL DATA → QUERY → EMBED UI → ENRICH CONTEXTFEATURE DEEP DIVE

02メタフィールドとApp Eventsでデータを持ち込む

これまでアプリ独自データを分析に使うにはETLパイプラインや別スキーマの管理が必要でしたが、2つの仕組みが解決します。

Metafields(analytics-queryable):メタフィールド定義に「analytics-queryable」フラグを付けるだけで、そのフィールドがShopifyQLのdimensionとして使えるようになります。例えば注文に campaign_source、顧客に subscription_status を追加すると、マーチャントはグループ化・フィルタ・グラフ化が可能になります。

FROM sales
SHOW total_sales
GROUP BY order.metafields.my_app.campaign_source
TIMESERIES day
VISUALIZE total_sales

App Events(早期アクセス):アプリがすでに発行しているカスタムイベントを shopify.app.toml のレジストリに宣言し、App Events APIで送信すると、ShopifyQLで FROM app_events から同じ方法でクエリできます。

FROM app_events
SHOW emails_sent
GROUP BY app_name
TIMESERIES day
VISUALIZE total_sales
API LAYER

03ShopifyQL APIが一級市民のプラットフォームAPIに

ShopifyQL APIがShopifyの公式プラットフォームAPIとして正式に位置付けられ、shopify.dev上にスキーマレベルのリファレンスドキュメントが公開されました。すべてのメトリクスとdimensionがその型・説明・実例つきで定義されています。

開発者への意味

バージョン管理済み・スキーマドキュメント化された安定した開発面に対してビルドできます。

LLM・AIエージェントへの意味

公開スキーマドキュメントにより、AIツールチェーンが動作するShopifyQLを生成できるようになります。

EMBED

04Analytics Web Componentsで1タグ埋め込み

Shopify管理画面内でアナリティクスをレンダリングしているのと同じWebコンポーネントが、サードパーティアプリでも利用可能になりました。

コンポーネント 役割
<s-shopifyql-metric-card> メトリクスカード・チャートを表示
<s-metrics-bar> 複数メトリクスのバー表示
<s-metrics-bar-date-picker> 日付レンジピッカー

利用手順:analytics-ui.jspolaris.jsの後に)を読み込み、Direct API accessを有効化し、タグを配置するだけ。チャートライブラリ・通貨ロケール処理・データフォーマット処理はすべて不要。コンポーネントがクエリを実行し、チャートをレンダリングし、Shopify管理画面と同期します。

<s-shopifyql-metric-card
  heading="My weekly sales"
  query="FROM sales SHOW total_sales TIMESERIES week VISUALIZE total_sales TYPE bar">
</s-shopifyql-metric-card>
ENRICH

05Annotations APIとMetric Targets APIで文脈を加える

Annotations API & Metric Targets API — 数値に文脈を加えるTARGET🏷 キャンペーン開始Annotation: email_app🏷 プラン変更Annotation: subscription_app青破線: Metric Targets APIで設定した売上目標 / オレンジ縦線: Annotations APIで記録したアプリイベント
Annotations API
GraphQL Admin API

パートナーアプリがマーチャントのチャートに直接注釈を作成できます。ロイヤルティアプリのプログラム開始日、メールアプリの新キャンペーン、サブスクリプションアプリの価格変更などをアプリ帰属付きでチャートパネルに表示。

必要スコープ:read_analytics_annotationswrite_analytics_annotations

Metric Targets API
GraphQL Admin API

任意のメトリクスに対して目標値を設定し、レポートやダッシュボード内で進捗を視覚的に追跡できます。目標はGraphQL Admin APIの新しいコアプリミティブとして追加され、アプリからプログラム的に作成・読み取り・チャートへのオーバーレイが可能です。

USE CASES

06業務に活かせる3つのユースケース

課題
メールマーケティングアプリが送信数・開封率などをShopify管理画面外の独自ダッシュボードで提供しており、マーチャントが売上データと並べて見られない
打ち手
App Events APIでメール送信・開封・クリックイベントを登録し、FROM app_events でShopifyQLクエリ可能にする。Web Componentsで管理画面埋め込みUIを構築し、Annotations APIでキャンペーン実施日をチャートに記録
効果
マーチャントはShopify管理画面を離れることなく「このキャンペーンで売上がX%増えた」を一画面で確認できる。開発者は独自データウェアハウスもチャートライブラリも不要になる
技術メモ
App Eventsは現在早期アクセス段階。shopify.app.tomlへのイベント宣言とApp Events APIの両方が必要。Annotations APIには write_analytics_annotations スコープが必須
課題
サブスクリプションアプリが管理しているプラン変更・解約タイミングと、実際の売上推移の関連を可視化したい
打ち手
顧客メタフィールドに subscription_status をanalytics-queryableで定義し、ShopifyQLでステータス別売上を集計。プラン変更タイミングをAnnotations APIでチャートに記録してBefore/After効果を見える化
効果
マーチャントが「アップグレードキャンペーン後にどのセグメントのLTVが上がったか」をShopify標準分析画面から直接把握でき、データドリブンな施策判断が加速する
技術メモ
メタフィールド定義時のanalytics-queryableフラグは管理画面またはGraphQL Admin APIから設定。ETLや別DBへのデータ同期は不要。ShopifyQL APIのスキーマドキュメントで使用可能なdimensionを事前確認すること
課題
広告管理アプリが設定した月次売上目標に対する進捗を、マーチャントがShopify管理画面のレポートと並べてリアルタイムに確認したい
打ち手
Metric Targets APIを使ってアプリから目標値をプログラム的に作成・更新。マーチャントはShopify標準レポート・ダッシュボード上で目標ラインのオーバーレイを確認でき、Web Componentsを使ってアプリ埋め込みUIにも同じ目標を表示
効果
目標管理のためだけに別ツールを開く必要がなくなり、マーチャントの意思決定スピードが向上。アプリの提供価値がShopify管理画面に自然に統合される形でブランド認知も高まる
技術メモ
Metric Targets APIはGraphQL Admin APIの新コアプリミティブ。ターゲットの作成・読み取りはAPIで完結。チャートへのオーバーレイはShopify側が自動処理するため、アプリ側での描画コードは不要
DEVELOPER NOTES

07技術者が押さえるべき5つのポイント

# 項目 詳細・注意点
1 App Eventsは早期アクセス 本番利用前にShopifyの早期アクセス申請が必要。shopify.app.tomlへのイベント宣言+App Events APIの両実装が必須。GAタイムラインは元記事に記載なし
2 Web Componentsの読み込み順 analytics-ui.jsは必ずpolaris.jsの後に読み込む。Direct API accessの有効化も必須。順序を誤るとコンポーネントが動作しない可能性がある
3 Annotations APIのスコープ管理 read_analytics_annotationswrite_analytics_annotationsの2スコープが必要。既存アプリはスコープ再申請とマーチャントによる再承認フローが発生する可能性あり
4 ShopifyQL APIのスキーマドキュメント shopify.dev上でバージョン管理されたスキーマリファレンスが公開済み。LLM/AIエージェントとの統合や自動クエリ生成が公式にサポートされた状態になった
5 メタフィールドのanalytics-queryableフラグ 既存のメタフィールド定義に後から付与できるかどうかは元記事に記載なし。新規定義時に設定することを推奨。使用可能なdimension一覧はShopifyQLスキーマドキュメントで確認すること

「独自DBもチャートライブラリも不要でShopify管理画面にアプリデータを統合した分析機能を提供できる」という提案が、今日から現実のものになりました。

Source: https://shopify.dev/changelog/full-stack-capabilities-to-power-app-analytics | 公開日: 2026年7月21日