Content-LengthまたはTransfer-Encoding: chunkedヘッダーなしのPOSTリクエストの廃止について

1. 技術的課題の定義

Shopifyは、HTTP/1.0とHTTP/1.1のリクエスト処理を改善し、ウェブ標準への準拠とセキュリティを強化するための変更を行います。具体的には、2025年8月1日から、Shopify APIへのすべてのPOSTリクエストには、Content-LengthヘッダーまたはTransfer-Encoding: chunkedヘッダーを含める必要があります。これを含まない場合、HTTP 411エラーが返されます。

2. 現状の技術スタックと問題分析

現在、POSTリクエストを送信する際、リクエストボディのサイズを明示的に示すContent-Lengthヘッダー、あるいはリクエストボディがチャンク形式で送信されることを示すTransfer-Encoding: chunkedヘッダーを含める必要がありません。これにより、リクエストの取り扱いに一貫性がなく、リクエストスマギング攻撃に関連する潜在的なセキュリティ脆弱性が生じる可能性があります。

3. 技術的ソリューションの提案

この問題に対する解決策として、以下のヘッダーをすべてのPOSTリクエストに含めるようにクライアントライブラリやAPIインテグレーションを更新します。

  • Content-Length: リクエストボディの正確なサイズをバイト単位で指定します。
  • Transfer-Encoding: chunked: リクエストボディがチャンク形式で送信されることを示します。

4. 実装手順とコード例

ほとんどの現代的なHTTPクライアントライブラリはこれらのヘッダーを自動的に含めますが、カスタム実装や古いライブラリでは含まれていない場合があります。そのため、リクエストを送信する際に以下のようにヘッダー情報を追加する必要があります。

    
    let headers = new Headers();
    headers.append("Content-Length", "12345"); // リクエストボディのバイト数
    // または
    headers.append("Transfer-Encoding", "chunked");
    

5. パフォーマンス・コスト分析

この変更により、Shopifyのインフラ全体でのリクエスト処理の一貫性が保たれ、セキュリティが強化されます。これは、システム全体のパフォーマンスと信頼性の向上に貢献します。また、この変更によるコスト増は予想されません。

6. 実装時の注意点・ベストプラクティス

この変更はHTTP/1.1の標準(RFC 7230)に準拠しており、リクエストスマギング攻撃に関連する潜在的なセキュリティ脆弱性を防ぐためのものです。したがって、最新のHTTPクライアントライブラリを使用し、定期的に更新することがベストプラクティスとして推奨されます。

7. 次のステップ・発展案

この変更を正確に実装するためには、プロジェクトの全体的なリクエスト処理を見直し、必要な場合にはクライアントライブラリやAPIインテグレーションを更新することが求められます。また、この機会にHTTPリクエストのセキュリティ対策を再評価し、改善することも有益です。

参考記事: Deprecation of POST requests without a Content-Length or Transfer-Encoding: chunked header

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