ShopifyのGraphQLで新たに追加された返品管理フィールドについて
Shopifyでは常にユーザーのニーズに適応し、より使いやすく、効率的なECショップ運営をサポートするための新機能や改良を行っています。今回、その一環として注目すべき新機能が追加されました。それがGraphQLの新たなフィールド、返品管理における数量追跡フィールドと返品タイムスタンプです。
技術的課題の定義と現状分析
これまでShopifyのGraphQLにおいて、返品管理は比較的手動的で、返品の量やステータスを正確に把握し、それに基づいて最適な対応をするのは一定の手間がかかる課題がありました。特に大量の商品を扱っている場合や、返品率が高い商品がある場合、一つ一つの返品を確認し、処理するのは大変な労力が必要でした。
具体的な技術的ソリューションの提案
今回新たに追加されたフィールドでは、返品の量を自動的に追跡し、その状態を詳細に表示することが可能になります。具体的には以下の3つのフィールドが追加されています。
-
processedQuantity
:処理済みの返品数量を追跡します。 -
processableQuantity
:処理可能な返品数量を表示します。 -
unprocessedQuantity
:未処理の返品数量を表示します。
さらに、返品に関する重要なタイムスタンプも取得できるようになりました。
-
Return.closedAt
:返品が終了した日時 -
Return.createdAt
:返品が作成された日時 -
Return.requestApprovedAt
:返品リクエストが承認された日時 -
ReverseFulfillmentOrderDisposition.createdAt
:処分が作成された日時
実装手順とコード例
これらの新フィールドを活用するための実装手順は簡単です。まずはGraphQLのクエリを作成します。以下にprocessedQuantity
を取得するためのクエリの例を示します。
query {
exchangeLineItem(id: "your_item_id") {
processedQuantity
}
}
上記のように、id
に対象のアイテムIDを指定し、processedQuantity
を取得します。同様にprocessableQuantity
やunprocessedQuantity
も取得できます。
パフォーマンス・コスト分析
この新機能の導入により、返品管理の効率が大幅に向上します。手動で返品を確認し、処理する必要がなくなり、それにかかる時間と労力を大幅に削減することが可能となります。また、返品の状況を詳細に把握することで、返品を予防するための策を立てることが容易になります。
実装時の注意点・ベストプラクティス
ただし、注意点としてExchangeLineItem.lineItem
は非推奨となりました。代わりにExchangeLineItem.lineItems
を使用してください。
次のステップ・発展案
今後もShopifyは、より使いやすく、効率的なECショップ運営をサポートするための新機能や改良を続けて行くでしょう。今回ご紹介した新機能もその一環です。これらの新機能を最大限に活用し、効率的なECショップ運営を目指しましょう。
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