注文キャンセル時の返金をストアクレジットに対応させる

ShopifyのGraphQL Admin APIでは、注文キャンセル時の返金処理について、新たな機能が追加されました。従来、注文のキャンセル時の返金は原則として元の支払方法に対して行われていましたが、新APIバージョン2025-07より、orderCancel mutationを通じてストアクレジットへの返金も可能となりました。

技術的課題と現状分析

これまでのShopifyでは注文キャンセル時の返金は元の支払方法に対してのみ行われていました。しかし、ECサイト運営者からの要望として、キャンセルによる返金をストアクレジットとして行いたいというニーズがありました。これにより、顧客への再購入を促すことが可能となり、ビジネス運営上の柔軟性を向上することが求められていました。

具体的な技術的ソリューションの提案

新APIバージョン2025-07では、orderCancel mutationが更新され、新たにrefundMethodという入力パラメータが追加されました。これにより、注文をキャンセルした際の返金方法を指定できるようになりました。従来のrefund入力パラメータは非推奨となり、代わりにrefundMethod.originalPaymentMethodsRefundを使用するようになります。

実装手順とコード例

注文キャンセル時にストアクレジットへの返金を行いたい場合、以下のようにrefundMethodパラメータを使用します。


mutation {
  orderCancel(id: "gid://shopify/Order/1", input: { refundMethod: STORE_CREDIT }) {
    order {
      id
    }
    userErrors {
      field
      message
    }
  }
}

パフォーマンス・コスト分析

この新機能の導入により、返金処理の柔軟性が向上します。具体的には、ストアクレジットを返金方法として選択することで、顧客の再購入を促す機会を増やし、長期的な売上に対するポジティブな影響をもたらす可能性があります。また、APIのコール数に変更はないため、パフォーマンスやコスト面での懸念はありません。

実装時の注意点・ベストプラクティス

新APIバージョンに更新する際には、既存のrefund入力パラメータの使用を停止し、新たにrefundMethod.originalPaymentMethodsRefundを使用するように注意が必要です。

次のステップ・発展案

今回の更新により、注文キャンセル時の返金処理がより柔軟になりました。今後は、返金方法の選択肢をさらに広げるなど、顧客へのサービス向上を図ることが可能となります。

参考記事: Order cancellation now supports refunds to store credit

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